動く台に載せた100台のメトロノーム。はじめは思い思いのタイミングで振れていますが、台のわずかな揺れを通じて影響し合い、やがて足並みがそろいます。台の動きやすさ(結合の強さ)を変えて、無秩序から秩序が生まれる瞬間を確かめてください。
振り子が振れるたび、その反動で台がわずかに左右へ動きます。台の揺れはすべてのメトロノームに伝わり、遅れている振り子は少し押され、進んでいる振り子は少し引き戻されます。小さな調整の積み重ねで、全体のリズムがそろっていきます。
1975年に物理学者の蔵本由紀が提案したモデルです。各振動子の位相 θ は、自分本来の速さ ω で進みながら、仲間との位相差に応じて引き寄せられます。揃い具合 r は全員の位相の平均で測ります。
結合が弱いうちは、ばらつきに負けて r はほぼ 0 のままです。ところが K が臨界値 Kc を超えたとたん、一部が集団をつくり、仲間を引き込んで一気に揃います。テンポのばらつきが大きいほど Kc も大きくなります。
この画面は、台を通じた力学的なつながりを蔵本モデル(平均場で結合した位相振動子)で近似したものです。台の揺れは振り子全体の重心の動きから描いています。実際のメトロノームは、テンポの差、台の重さや転がりやすさ、摩擦などの条件しだいで同期しなかったり、半周期ずれた「逆位相」でそろったりすることもあります。